2004年12月 3日 金曜日
学生の頃に読んで、いたく感銘を受けた筒井康隆の作品。小説中の文章から文字が1文字ずつ消滅し、同時に世界から何かが消えてゆく。例えば、「あ」が使えなくなると「愛」などが消えてしまう。この実験的設定で、文字が最後の一つになるまで内容のある長編小説を書いてしまうのだから、筒井氏はやはり天才だと思った。後にも先にも、他にこんな作品は無いでしょう。
[残像に口紅を 中公文庫 1986:内容紹介より引用]
「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。
「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。愛するものを失うことは、とても哀しい…。言語が消滅するなかで、執筆し、飲食し、講演し、交情する小説家を描き、その後の著者自身の断筆状況を予感させる、究極の実験的長篇小説。
最後の1文字なるまで世界が消滅していく様は感動もの。タイトルにもなっている「残像に口紅を」のくだりは、とてもはかない表現で美しい。これを読んで、「虚構と現実の差は何なのか。実際はあまり差なんて無くって、現実も多数の意思が介在するヴァーチャルの集合なんだな。」なんてことを考えさせられた記憶がある。…で、今本棚見たら、この本無いんだわ。誰かに貸しましたっけ!?
◆筒井康隆 オフィシャルホームページ
http://www.jali.or.jp/tti/index.html
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