2010年4月11日 日曜日
第82回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞にノミネートされた「第9地区」を観てきました。南アフリカのニール・ブロムカンプ監督(なんとまだ30歳)と「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン製作による話題の作品。
映画版「Halo(ヘイロー)」の制作が頓挫し、その代わりに製作されたといわれています。
「第9地区」はエイリアンSF映画としては視点が斬新で、宇宙人やUFOの到来は神秘的な何かではなく既成事実として描かれていますし、すべてのエイリアンが高度な知能を身につけているわけではありません。また、南アフリカを舞台にすることで、実在の「アパルトヘイト」(第6地区問題、人種差別問題)の痛烈な皮肉になっており、虚構と現実の社会問題をクロスオーバーしているところがポイントです。
演出は、ここ数年流行っているドキュメントリー手法を多く取り込みながらも、それに固執することのなく要素として柔軟に活用しています。低予算映画といわれていますが、臨場感が素晴らしく、まったくそんな感じもしません。結局はセンスなのかな。
あまり有名でない主演のシャールト・コプリーがとてもいい演技をしています。それにエビのクリストファーも非常にいいキャラです。
導入は軽いノリだし、もちろん単なる娯楽として観てもいいのですが、「第9地区」の扱っているテーマって、かなり深いと思いますよ。この作品から得られる視点というのは、実は、不法移民問題や人種差別問題についての現実であり、SFエンターテインメントを入り口として社会問題の啓蒙を果たしているわけです。これは、監督本人が南アフリカ出身だからできることですよね。
星4つ[★★★★☆]
※2010/4/12追記:ピーター・ジャクソンは、「第9地区」はアパルトヘイトのメタファーではないと語っているそうです。コレが本音なのか、オトナの事情なのかは不明。
- リンク -
・映画「第9地区」オフィシャルサイト
・アパルトヘイト(Wikipedia)
・第9地区 [DVD]
![第9地区 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51lpdR%2BTCVL._SL160_.jpg)
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